教室案内Department

Greeting

ごあいさつ

消化管・腫瘍外科 教授

押切 太郎

Taro Oshikiri

最新の医療を身につけて地域医療に貢献してもらえる施設に。

 2023年8月1日付けで愛媛大学大学院医学系研究科消化管・腫瘍外科教授に就任した押切です。
 当科は上部消化管外科、下部消化管外科、小児外科の3分野で構成されており、各領域において良性疾患から悪性腫瘍まで幅広く対応するべく、専門スタッフが日々診療に従事しています。上部・下部消化管領域では複数機種の手術支援ロボットの導入と症例蓄積が進み、より患者さんに負担の少ない外科治療を心掛けています。また手術前後の化学療法も自科で行っており、悪性腫瘍に対する途切れのない集学的治療を提供できるのが強みです。小児外科でも内視鏡手術を広く導入し多岐にわたる疾患に対応しており、専門医のもと小児科と連携して、患者さん・ご家族のご要望を叶え貢献していければと思いますので、些細なことでもご相談ください。

 愛媛県は人口約130万人のうち51万人が松山市に集中しており、他の地域では人口減少がすすんでいます。愛媛県全体の課題として地域医療があげられ、先進医療と並行して地域医療を支えることが我々の大きな使命のひとつになっています。
 また、昨今外科医を志望する若手医師の減少が全国的な問題となっており、日本の将来を託せる外科医の教育・排出が喫緊の課題です。幸い当科ではこの10年で20名以上の入局者があり、展望の明るい医局です。医局員一丸となって雰囲気のいい医局づくりを目指していますので、学生諸君や研修医、専攻医の先生でもし当ホームページをみて興味があれば、気軽に連絡ください。歓迎します。

歴史と概要

研鑽を積んだ多くの医局員が、県内外の施設で懸命に手術を行っております。

愛媛大学医学部第2外科教室同門会第2回総会(S58.4.16) 最前列左から7番目が初代 木村茂教授

 愛媛大学外科学講座は、昭和49年(1974年)に第一、第二外科という二つの講座に分かれてスタートしました。外科医は広い知識と技術を持つべきであるという教室理念に基づき、小児外科の他に、消化器外科、心臓血管外科、呼吸器外科、乳腺内分泌外科、一般外科すべてを網羅した医局として、初代木村茂教授(小児外科、1974~1996年)の開設された第二外科教室が当科の始まりとなります。その後、平成8年(1996年)に就任された河内寛治第2代教授(心臓血管外科)のもと同様の理念で診療、研究、教育が行われてきました。
 平成21年(2009年)7月1日より、進歩、変革の著しい診療、教育、研究に対応するため、大学の方針としてそれまでの第一、第二外科教室を統合し、消化管・腫瘍外科学分野(小児外科を含む)、心臓血管・呼吸器外科分野、肝胆膵・移植外科分野(乳腺外科を含む)に再編された外科大講座制が発足しました。私の前任である渡部祐司教授が消化管・腫瘍外科学分野を担当して低侵襲手術の導入・普及に貢献され、私に至ります。

消化管・腫瘍外科

患者さんにとって負担が少なく、満足して頂ける治療を提供することを目標にします。

当科の対象とする疾患は、消化管癌(食道癌、胃癌、大腸癌など)、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病など)の他、良性疾患(食道アカラシア、逆流性食道炎、虫垂炎など)が代表的なものです。他には、鼠径ヘルニアなどの疾患も対象としています。
従来開腹手術が主として行われていた診療領域ですが、1990年頃から腹腔鏡下手術、2000年代になりロボット支援下手術が普及し、より負担の少ない医療の提供が可能となってきました。当科においても、「負担の少ない医療の提供」をテーマに時代ごとに最先端の医療を導入して参りました。更に、日本でも数少ないご献体を使用した手術手技トレーニング(Cadaver Surgical Training)施設を有する利点を活かし、最先端の治療をより安全に患者様へ提供できるよう努めてまいりました。これらの施設に加え、既存の手術トレーニング施設や手術シミュレーションセンターを用いることで、次世代を担う外科医を育て、永く愛媛の患者様に安全な医療を提供できるよう邁進して参ります。

●次のような症状を扱っています

腹痛、食欲不振、体重減少、全身倦怠感、貧血、嘔吐、嚥下障害、胸やけ、吐血、下血、排便痛、排便困難、便秘、下痢、腹部膨満、腹部腫瘤、鼠径部膨隆

●専門分野
押切 太郎上部消化管全般、食道疾患、胸・腹腔鏡手術、ロボット支援下手術
石丸  啓下部消化管全般、大腸疾患、腹腔鏡手術
古賀 繁宏上部消化管全般、胃・食道疾患、胸・腹腔鏡手術、ロボット支援下手術
吉田 素平上部消化管全般、胃疾患、腹腔鏡手術、ロボット支援下手術
秋田  聡下部消化管全般、大腸疾患、腹腔鏡手術、ロボット支援下手術
菊池  聡上部消化管全般、胃・食道疾患、胸・腹腔鏡手術、ロボット支援下手術、救急全般
杉下 博基下部消化管全般、大腸疾患、遺伝性大腸癌、腹腔鏡手術、ロボット支援下手術
松本 紘典消化器外科全般、一般外科、腹腔鏡手術、救急全般
大木 悠輔下部消化管全般、大腸疾患、腹腔鏡手術、ロボット支援下手術

小児外科

外科的疾患を有する小児の患者さんを積極的に受け入れています。

小児外科とは、15歳以下の新生児・乳幼児・学童・思春期のこどもに対する手術を含めた外科的治療を専門とし、新生児外科・肝胆道疾患・消化管疾患・呼吸器疾患・泌尿器疾患・小児腫瘍などを対象に、心臓血管・脳神経・整形外科疾患などを除いた外科的疾患の幅広い分野を扱う特殊診療科です。なお、もともと小児外科で治療を受けられた方や疾患自体が小児外科疾患の性格を有する場合は、16歳以上でも診療の対象となります。

当診療科は、愛媛県における小児外科診療の基幹病院として、小児外科専門医が常勤している小児外科学会認定施設であり、外科的疾患を有する小児の患者さんを、急患も含めて、広く積極的に受け入れています。

●専門分野
桝屋 隆太小児消化器外科、小児内視鏡外科、小児一般外科
桑原 淳小児消化器外科、小児内視鏡外科、小児一般外科